逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

こんなにカラッとしたメンヘルなストーリーを読んだのは初めてだ。
方言を操る女子はやっぱりカワイイ。繰り返し出てくる幻聴のフレーズが資本論だなんて!「シホンロン」が中華味のする派手な鳥の鳴き声みたいだっていうのもイイね。そういうちょっとしたところにフフッて笑えるかんじ。ライオン先生の出てくる箇所が好きだった。こんな先生いたらいいなーっと。宮沢賢治かと思ったぜ。
獣道を越えて都会が見えてきたってあたりはこちらも読んでてわくわくした。宮崎は今年行ったしね。九州に詳しい人はよりいっそう楽しく読めるのではなかろうか。
しかし、遊び疲れてふとヒマになった一日に「そうだ。今日は死んでみよう。」なんて思いついて、オーバードーズだなんて。そういうノリで何かを始めることは自分もよくあるので、なんか軽くショックだった。
高校生の頃に、登校しようと電車に乗り込んだときに、窓の外の景色があまりにも気持ちのいい晴天だったので「そうだ、鎌倉に行こう」なんて思って、学校休んで小旅行に行ったことがあるのを思い出した。軽いよ、軽すぎるよ。躁病がホントにそういう病気なのかどうかはわからないけれども、ある意味怖い病気なんだなあと思った。
まあまあ、映画もぜひ観たいぜー。
気が触れても彼女と歩いてた。
http://www.cinehouse.co.jp/toubou/