アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

最後の方でいいかんじに裏切られた。
こないだ読んだ「重力ピエロ」に続き、これも復讐ものですな。でも暗くなりすぎないのね。
二年前の方はちょっとハラハラドキドキしたけど…。
なんつーか、鮮やかですな。小物使いもね。デュランとか本屋とかペットショップとか。
完成度が高いというか、器用に確実にものを作る人ってイメージ。伊坂さん。

空中庭園 (文春文庫)

空中庭園 (文春文庫)

ああ…なるほど、ツボだねえこれは。自分のツボにストライクで入るタイプのお話でした。
人が言うほど絶望的だとか真っ暗だとか感じられなかったのだけれども…。家族ってこんなもんなんじゃないの…?って思ってしまう私がおかしいのか…?いや、自分ちがこんななったら切ないし嫌だけどね。ただ、家族なんてひとつやふたつぐらいは問題があるもんだとは思ってしまう。こんなに一気にあちこちでなんかしら起きてる状況はアレだけども。
しかし、こんなにもドライにこういう話を書けるのはすごいなあ。
「話し合いを避けて通るなら、状況は悪化する一方だということに、いい歳して気づかないのだ」というような内容の文があって、ドキッとした。まったくもってその通りだね。でも、そういう人多い。自分も含めて。言うべきことは言えるように生きていこうと日ごろから心がけているが、言うべきときに言えなくてモヤモヤしたり、言うべきじゃないときに言っちゃって後悔したりする。