はてな年間100冊読書クラブ 27冊目・28冊目・29冊目

もうおうちへかえりましょう

もうおうちへかえりましょう

穂村さんのエッセイ本にしては、比較的マジメな話題が多かったような。評論とかね。しかしながら、マジメに考察していても、どこか脱力なかんじが抜けないところがステキだね。
バブルを知ってる自分には書けない不況世代の俳句とか。たしかに、バブルをエンジョイした人ってどこか楽天家なイメージあるかもなあ。皆が皆そうなわけじゃないんだろうけど…。
あと、ブルーハーツで目が覚めた話とか。なんか分かるなあ、それ。
林檎でも一緒に食べませんか?ってナンパならされてみたいもんだわ。
あと、「知人と談笑」が怖くてダイヤモンド会館の周りをくるくる回る人は、他にもいます。それは私です。ほむほむ!でも、ボーリングでストライク出したら素直にうれしいです。ごめんよ、ほむほむ。
そうそう、これを借りた図書館でも、この本は「た行」にありましたよ…。タネムラヒロシ…物悲しい……。他の本は「は行」にあるのに。返却時に指摘しておくべきか。

手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)

手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)

穂村さんの歌集を読むのは初めてだなあ。最初、五七五で読めなくて首をひねってしまった。文節文節で区切ってないんだね。

海の生き物って考えてることがわかんないのが多い。蛸ほか
「凍る、燃える、凍る、燃える」と占いの花びら毟る宇宙飛行士
午前四時半の私を抱きしめてくれるドーナツショップがないの

ね、パッと五七五で読めなくないですか?
まるで歌詞みたいな作り方してるんだなあ。リズムが先にあって、そこに言葉を当てはめるっていう。曲に言葉を載せてくときの気持ちを思い出した。案外楽しいんだよなあ。
やっぱり言葉のチョイスがキラキラしてる。ステキだなあ。タカノ綾さんの挿絵といい、どことなくガーリーな印象。可愛らしい歌集でした。

「十二階かんむり売り場でございます。」月のあかりの屋上に出る
可能性。ソフトクリーム食べたいわ、ってゆきずりの誰かにねだること
「殺虫剤浴びて死んだから魂の引取り手がないの」
カカオマス、ホエイパウダー、麦芽糖、ようこそ、うれしい原材料たち
サイダーがリモコン濡らす一瞬の遠い未来のさよならのこと

なんつーか、ガールズトークだ。しかも、イトコと限られた仲良しな友達としかできないレベルの実に非生産的な。でもそういうのは大好きです。そういう話してるときが一番、アドレナリン出てテンションあがっちゃう。

浄土

浄土

ビバ!カッパ!って叫んじゃったじゃないか私も。思うツボかしら。
「犬死」「どぶさらえ」は、町田康っぽい。主人公がずっとイライラしてて、煽るように、周囲の理不尽な仕打ちを受けて、悲惨な結末(といっても、気が滅入るようなかんじではないのだけど、あーあツイてねえなあ…ていうかんじ)へ。
一言主の神」最近の町田さんは日本の歴史的な話のパロディもの入れてくるねえ。
「ギャオスの話」とかはもう、漫画だなこれ。カメラを向けるとポーズをとる怪獣て。
全体的に、ガロとかに載りそうな漫画を思い浮かべながら読んでしまった。
「本音街」と「あぱぱ踊り」がおもしろかった。「本音街」は普通におもしろかったけど、もっと広げられそうだなあ、この話。「あぱぱ踊り」は、常に両脇でダンスする二人の女子を従えて歩く、自称凄い男にイラッとしつつもニヤニヤしてしまった。しかし、ガタロってなんだ??
「自分の群像」は、こういうやついるいるーって思った、わりとリアルに。こういう人は、あまりにも話が通じないので、違う国の人なのだと思ってやり過ごすことが多いのですが、それにしたってイラッとするのよね。うんうん、一度ぐらいギャフンといわせるのがよいよ。