はてな年間100冊読書クラブ 30冊目

わたくし率 イン 歯ー、または世界

わたくし率 イン 歯ー、または世界

非常に独特な文章で、正直、読み進めるのがけっこう困難でした。
ただ、読む前はさっぱりなんのことやらわからなかったこのタイトル「わたくし率イン歯ー、または世界」の意味が分かりました。長い長い時間をかけてこの一言の説明をされたような、そんな気分。
作者の方はミュージシャンらしいですが、なるほどってかんじ。この文章はミュージシャンだろうなって思えるようなそんな雰囲気。
たとえば歌詞を書くとき、なるべく余計な言葉を省いてギュッと意味をこめた一言を探したりするのですが、なんかそういうかんじで言葉足らずというか、唐突だな、とか、どういう意味だろうこれって立ち止まっちゃうところがたびたびあった。
もしかして、そのへんはさらっと流してリズム重視で読むべきなのかもしれないけれども、昔は常にそういう読み方をしていて、さっぱり中身を記憶していないということに気づいて以来、内容を理解しながら読み進めるような癖をつけている昨今の自分の読書スタイルには合っていなかったということか。
読解するのに苦労してしまったけど、深読みしようと思えばいくらでもできそう。ただ、今の私にはそこまで掘り下げる余裕がないけど。
でも、世界観は美しいので、また他の本も読んでみたいなあ。