はてな年間100冊読書クラブ 31冊目・32冊目

本棚

本棚

人の家に遊びに行くとまず、本棚とCDラックが気になってしまうので、楽しく読めました。
穂村さんの本棚、ガイコクの絵本とか小洒落すぎ!翻訳の仕事してるからってのもあるのかしら…。しかも、あんなにさえない男風味なエッセイ書いてるわりにはシマシマシャツ着こなしちゃったりして、この髭メガネめー!つって。
みうらじゅんの本棚のカオスっぷりにはビックリだよ。いつか役に立つかもって思って買ったという「ふぐ調理師入門」とか「イカ大百科」とか、たぶん一生見ないって。その本が気になるってことはきっといつかマイブームがくるってことだって言い放っているけども。そして、そういうかんじはキライじゃないけど。おもしろいなあ。
喜国雅彦氏の手作り背表紙はちょっといいな。ハンドメイド感あふれるな。そういう作業は案外好きだ。
中島らもの(語り手は奥さん)話は、ちょっと切なかった。
しかし、本って高いのは高いんだなあ。万単位の本を買うとか、自分の価値観にはなかったよ。
ミュージシャンの聞いてきた音楽をルーツとしてチェックすることはあるけど、作家さんのルーツってのもなかなか興味深いですな。


タイムスリップ・コンビナート (文春文庫)

タイムスリップ・コンビナート (文春文庫)

自分と誕生日が同じだと知って気になっていた、笙野頼子さんの芥川章受賞作。
なんだか頭が混乱してくるような小説だった。三作入っているのだけど、これ、多分主人公は全部同じ人っぽいな。というか、一人称は自分自身の妄想小説??なんつーかシュール。読んでる間に、夢か現か区別がつかなくなってくるのよね。
ちょっと不思議な設定はおもしろい。マグロと恋する夢を見ていたら、謎の人物からの電話で起こされて、海芝浦へ行けと言われる、とか。
ともあれ、海芝浦には行きたくなりました。本気で。そもそも工場地帯ファンなもので、JR鶴見線て存在は前から気になっていたのです。JR線に乗る度に路線図とにらめっこしては、あの川崎の端っこの埋立地的な場所はなんなのだろうか…もしや工場パラダイス??とかなんとか。いつか行ってみたいと目星をつけていたのは扇島とかそのあたりだったのですが、海芝浦いいなー。
ホームの片側が海に面していて、反対側は東芝の工場の通用口になっているため、外に出られない駅なんだそうで。そんなのったら気になるわあ。まあ、最近は観光客が増えてきたので、駅構内に小さな公園ができたらしいけど。トイカメラ握り締めつつぜひ行きたい。
おっと話がそれました。とりあえず、三作中二本は東京近郊の電車で起こる話だったので、そのへんを知っている方ならそういった視点からも楽しめるかもしれません。
三本目は蚤が大量に出てくる話で、そのへんの描写では、実に不快な気分になってしまいました。キモ!カーイカイカイ!