お猫様

会社の周りに猫がわんさかおりまして、おねいさんたちが餌を与えておるのです。
いつもの一服スポットな非常階段に、餌を食べにやってくる色とりどりの猫たちよ。
しかし、こやつら、ちっともおさわりさせてくれない。ちょっとでも近づこうものならば、シャシャシャと忍びのごとくすばやい身のこなしで、気づけば3メートルぐらい飛びのいているのです。
そんなに気をはっていると、自慢のフカフカ体毛が抜け落ちますよ?500円ハゲとかできたら木枯らしピューピュー吹きすさぶこれからの季節、体にこたえますよ??
などと説得してみたところで、通じているのか通じていないのか、猫様たちは表情ひとつ変えずにガツガツ餌を食うばかり。
それが、本日、おかしな時間(PM10:30ぐらい)に餌くれ〜とやってきた一匹の猫様。いつもは餌食べると、もう用はないぜとばかりにヒョヒョイと塀を越え、どこぞへ姿をくらませてしまうのですが、今日はちょっと様子が違いました。
食べ終わってからも、しばらく、私たちの近くにストンと座ってくつろいでいらっしゃる。
なんだい?珍しいね、お暇なのかいオマエさん??などと語りかけてみると、相変わらずくつろぎ体制で体を丸くして、半目をむいていらっしゃる。おや?これはもしかして…などと思い、そろりそろりと近づいて、そっとそのフカフカに手を触れようとしたところ、案の定、シャシャシャといつものごとく、くのイチ的なすばやさで飛びのいてしまいました。ガクーリ。
それでもしばらくそこに座ってました。部屋に通じる鉄の扉をじっと見つめながら。
寒い季節は、明るいとこが恋しくなるのかもしれませんね。
部屋に戻るときに、一応、中入る??と聞いてみたものの、猫様は、腰掛けていた階段からじっと動こうとしませんでした。
寂しそうなくせして、かまうと逃げるなんて、乙女よりも扱いが難しいイキモノだねえ。お猫様ったら。