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ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

これまた再読なのですが、またしても細部をさっぱり覚えていなかった。当時ちょっと気になっていた男子に借りて読んだ本という、意外と甘酸っぱい思い出がある本なのにも関わらず、だ。ホント身の入らない読書してたんだなー、自分。
村上春樹の長編の中では、読みやすいというかシンプルな話な印象がありますな。井戸の底の世界やら、世界の終わり的な不思議な世界が出てこない。一応、すべて現実世界の中で片付いている。いつもラストに残るような謎もなく。なるほど、ベストセラーになったのも納得。個人的には不思議世界の話も好きだけどもね。そうか、こんな話だったか。
春の熊はステキだなあ。フカフカコロコロ。ステキすぎる擬音ですべてが語れそう。ミドリのいる場面はほんのり明るくなってよいな。屋根の上（ベランダだっけ？）で、火事を見ながらギターを弾くとことかすきだなあ。
最初から最後まで喪失感であふれている話だった。でも、前に読んだときは、ただただ哀しい話だなあと思っていたのだけれども、今回読んだらそこまでジメッとした印象ではなかったな。やりきれないけど、真っ暗ではない。なんというか、曇り空が似合うお話だなあと思った。