ぼくとネモ号と彼女たち (河出文庫)

ぼくとネモ号と彼女たち (河出文庫)

あっという間に軽く読めてしまった。良くも悪くもそんなお話。
ペイヴメントやらスマパンやら、自分の青春時代とかぶるっつの。親近感沸いたし、青春だなあと思う。こういう感覚あったなあと思う。ただ、そこまで強く心に残らなかったなあ。さらっと終わってしまった。でもそんなドライさがいいのかもしれない。

流星ワゴン (講談社文庫)

流星ワゴン (講談社文庫)

そういえば私も、もしも母親と同級生として出会ったらどんな関係だったかしら?とか考えたことがあります。
というのも、母親はチャキチャキの江戸っ子で、どちらかというとアクティブで体育会系で、自分の行動にほとんど疑問なんて持たない根拠のない自信の持ち主(悪い意味じゃなく…w)で、クレームなんて入れさせたら天下一品、人見知りせずに喋り倒す人懐こさを持ち合わせている。
要するに、よく言えばマイペースはっきり言っちゃえばトロい、バリバリの人見知りで内弁慶(逆に内輪では態度でかいわけですが)、断然文科系で運動センス皆無、自信なげで挙動不審な私とは正反対な人なんですわ。
親子関係はまあいい方ですが、もしも同級生として出会っていたら、どうだったのかしら?と。ふと考えたことがあるんです。
はたまた、誰しもあるだろうとは思うけど、過去のあのときにあんな対応じゃなくてこうしていたらどうなっていたかしら??とか妄想することも多々あるもので、そんな妄想を物語にして読ませてくれたこの本は、読んでて楽しかった。気持ちよかった。ウキウキした。物語としては、楽しいというよりは悲しい面が強いのですがね。
チュウさんのキャラがよかったなあ。うちの父親もどちらかというと怖い親だった。子供をキライなわけではないのだろうけれど(今なんて孫のぺろちゃんに首ったけだしな)、子供の楽しみを理解しないというか、短気で、わけのわからないことで怒る人だという印象があった。最近は丸くなってそうでもないけど、当時はシャレが通じない人でちょっとふざけたかんじでからかうようなことを言うと、バカにされてると思うような人だった。
この本のチュウさんを見て、それでもやっぱり子供から見たイメージと、実際の人柄は多少違ったんだろうなあと思えた。
まあまあ、物語としては、主人公はどうにもならないような状況の中にいるんだけども、それでも最後は希望が見える形で終わったのでよかった。現実問題として何も変わってはいないんだけれども、それでも何か流れが変わったなということが垣間見えた。
ええ話でした。泣いちゃったよ。