はてな年間100冊読書クラブ 6冊目・7冊目

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

「我が家のトトロ」は一番好きだったかなー。ネコのレスカ!丸々太ったキレイなネコ!私もお空に連れてって〜とか言いたい。おめめに星を浮かべながら。
いなくなったネコを必死に探すくだりは、ちょっぴりねじまき鳥を思い出したなあ。
ソマリア〜は、読後感が悪くてしばらく気がふさいでしまった。
なんだかこの人の物語に入りきれないのは、設定が奇抜すぎるからなんだと思うんだけど。自分の子供の頃の妄想を物語に仕立て上げられてしまったような気分になる。
それでも、語り手の思考回路はそれなりに筋が通っているからまだ読めるのだな。特に、説明しづらい心理状態の分析・解説なんかが上手だなあと思う。ほっほう!と唸ること多々。
「俺のクソのタイプの方が他のより俺にとってはマシなのだ」
うん、わかる。

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

映画みたいなお話でした。敦賀の海が舞台。脳裏に浮かぶのは曇り空の海辺。
毎度ありなロードムービーな一面もあり。絲山さんは車での長旅が好きなんだなあ。私もそこそこ好きですけど。
静かに暮らしていたいんだろうな、河野は。穏やかな生活を続けるけれど、カミナリに二度も打たれたり宝くじに当たったりと、ヘンな運を持っている。
ファンタジーと出会ってみたいものだわ。でもファンタジーって、あっち側へのお迎えしにくる神様なのかしら?そこにいるだけで何もしてはくれない「できそこない」の神様。でも、無意味な存在ではないと思う。
設定だけ見ると、ドラマチックなんだけれども、読んでみるとだいぶ淡々としていて心地よかった。
登場人物を苗字で呼ぶのがいいなあ。
なんか、性善説を思い浮かべた。イラッとする人が一人も出てこない。皆、ちゃんと自分の足で立っていて、かと言って独りよがりでない。
うまくまとまりませんが、心に残った言葉を二つ。
「幸せってなんだ?」「ありのまま、を満足すること。」
「孤独というのが心の輪郭。背負っていかなくてはならない最低限の荷物。」