はてな年間100冊読書クラブ 66冊目・67冊目・68冊目・69冊目

四とそれ以上の国

四とそれ以上の国

四国を舞台にした短編集。うーんと、私にとってはいささか難解でした。どう読み取ればいいのかわからない箇所が多数。でも、なんとなく感覚で読んでみるとおぼろげに。内田百けんの物語みたいだったなあ。
メルヘン色の強いイメージのあったいしいさんでしたが、だんだん作風が生っぽくなってきたなと思ってはいましたが、そっち方向に行っちゃうのかー。いや、でもこれはこれでいいんですけどね。
最初の浄瑠璃の話が相当印象深かった。浄瑠璃こわいね、浄瑠璃。たけしの映画、DOLLSをちょっと思い出しましたよ。
四国には行ったことありますが、車で深夜に東京出発で車中一泊・宿一泊の二泊三日っていう弾丸ツアーだったので、またゆっくり行ってみたくなりました。

豚キムチにジンクスはあるのか―絲的炊事記

豚キムチにジンクスはあるのか―絲的炊事記

一度はやってみたい珍妙な組み合わせのお料理とかを試したり、コロッケ屋さんのコロッケを食べ比べしてみたりしています。絲山さんの男前女性だなー。なんだか気持ちいいほどに豪快だ。冬に冷やし中華を食べない理由が分かりました。

有頂天家族

有頂天家族

タヌキと天狗と人間が織り成すハーモニー。ハーモニー??これを読むとよりいっそう京都に行ってみたくなりますね。街でちょっと浮いた人がいたら、もしやこれは人間に化けたタヌキなのかも??とか思えるかんじがすてきですね。
空飛ぶお座敷とか、嵐を巻き起こす扇子とか、カエルに化けてかれこれ何年も井戸の中にこもっているタヌキとか、夢いっぱい。弁天さんはなんだかんだ言ってもいい女だわね。
電気ブランとか夜の先斗町を走る電車が出てきたり、「夜は短し歩けよ乙女」と世界がつながっているかんじですねえ。金曜倶楽部の長老はもしや李白さんなのでは?
阿呆の血のしからしむところだ。よい言葉ですねえ。涙あり笑いありでとても楽しめました。エンターテイメント!!

神田川デイズ

神田川デイズ

どちらかというと冴えないかんじの大学生たちが、それぞれ自分の居場所を見つけたり楽しいことを見つけたりしていくお話。ちょっとずつ登場人物がつながっていくかんじがまた楽しい。
楽しかったあの頃を思い出したりした。これぞ青春!!ラストの星子ちゃんのお話はちょっぴりせつない。
なんだろうこの人のこの、リアルに現代人てかんじの感覚。なんというか、小説を読んでいると、若い子が主役のお話は特に、どことなく時代にズレを感じてしまうことが多いのだけど、この話にはそれがない。と思ったらやっぱり作者さんお若いのねえ。
これまたとっても楽しめました。