はてな年間100冊読書クラブ 二期目 11冊目〜13冊目

こっちも畳もう、長いから。

東京飄然

東京飄然

ギヒヒ!と何度もほくそえんだ。夜中に読むことが多いので、大声で笑うことができないからだ。ロックコンサートを見に行くくだりで笑った。特に小銭を道に捨てるあたりとか。
東京近郊をうろうろして絶望したりする。なんというネガティブな放浪記。だのに、自分もぶらりと散歩のひとつでもしたくなるのが不思議だ。
そんなにも串カツ屋ってないもんなんだね。そういや入った覚えがあんまりないなあ。近いイメージのホルモン屋とかならあるけれど。
「くんくんする」ってワードを積極的に使ってみたいものだ。

よくまったく新しいムーブメントなどというが、どんな新しいものでも間違いなく過去からなんらかの影響を受けているのであって、およそ人間のすることで、虚空に突然、生まれ出るものはない。

野原というメロコアパンクバンドが、途中でゴスロリ娘を拾って全国ツアーをするという、青春バンド小説。読後感は非常に爽やか。オーケンのつづる物語は、だいたい青春小説なのだな。前回読んだヌイグルマーもアレだし(そっちはもっとグロかったけど)、案外アツい人なのかもなーと思ったりした。
バンドをやっていた身としては、なかなか興味深い業界の裏側とかが描かれていたりもした。実在するバンド名が多々でてきて、そのイベントの雰囲気が伝わりやすかったりした。
軽すぎず重すぎず、気分よく楽しく読めた。

「ね、教えてお姉ちゃん、愛するってどういうこと?」

「それは多分……寛容ってことよ」

「許すってこと。どれだけ相手を許して認めてあげられるか、その度量を愛情って呼ぶんだよ。」

大人のための怪奇掌篇

大人のための怪奇掌篇

怪奇というので、リアルに怖かったら嫌だなあと思いつつ恐る恐る読み始めましたが、ホラーというよりはむしろエログロな方向だったので、不気味ながらも、夜中にカタカタ震えることはなかった。
カニバリズム的な話が多かったかなあ。ガリバー旅行記の話は本当なのかしら…?後で調べてみなくては!
長風呂により、肉が溶けてガイコツになってしまった少年の話やカボチャ頭の話はちょっぴりコミカルというかブラックユーモアだったかな。